大きな柿の木の下で

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音楽・ゲーム・アニメ等を中心に、幅広い事柄をつづります。

【感想】映画『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』原作・アニメ見ずに鑑賞したけど・・・

こんにちは。

今回は

『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』

の感想を書いていきます!

 

 

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※ネタバレ(特に、物語の核心に関わる重大なもの)は避けるようにしますが、

軽度のネタバレと捉えられるようなものはあるかもしれません。

気になる方はご注意ください。

 

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出典:https://www.cinematoday.jp/page/A0007045

 目次

 

・映画の概要

 

同名マンガを原作とするテレビアニメ『メイドインアビス』の、

続編にあたる内容が描かれた映画です。

 

メイドインアビス』全体のストーリーとしては、

探窟家を目指す少女リコ、記憶を失くしたロボットの少年レグ、

そして獣人のような姿をしたナナチの3人が、

「アビス」と呼ばれる大穴の底を目指して冒険していく物語です。

アビスにはいくつもの「層」がありますが、

テレビシリーズでは第1層から第4層までが描かれました。

本作では第5層が舞台となります。

 

(※以下軽度のネタバレあり?)

 

・感想など

 

・序盤の秀逸な構成

鑑賞時の僕は、

原作マンガやアニメは鑑賞しておらず、

まさに「概要」に書いた通りのこと程度しか知りませんでした。

(あとは可愛らしい絵柄に反して描写がエグいらしいことくらい)

それでも十分楽しめる内容になっていました。

 

そう感じたのは、やはり序盤の描き方によるところが大きいと思います。

もちろん原作かテレビシリーズを鑑賞していることが前提の作品だとは思いますが、

序盤を見るだけでこの物語がどういうものか端的に感じ取れます。

 

アビスの美しい風景、そこに潜む脅威や恐ろしい生物、

そしてそれを焼き払う人間・・・

これらのような描写で、

この作品がどんなことを描こうとしているのかが

シリーズ初見でも把握しやすいです。

 

良い作品は序盤にその作品のテーマなどを端的に示しているものですが、

本作もその例の一つだと思います。

 

・本作の映像表現

・創意工夫に満ちた映像

本作においては、流麗な画面が印象的でした。

花畑や水で覆われた海のような空間など、

アビスの雄大な自然の表現もそうですが、

特に中盤から終盤にかけてのバトルシーンには目を見張るものがあります。

ハイペースな場面展開を滑らかに描き出しており、

画面内の激しい戦いにますます引き込まれました。

また、思わず目を背けたくなるようなシーンの話にはなりますが、

人間の肉体の質感も見事に表現されていました。

美しい画面によって、残虐な場面がいっそう際立っています。

 

そういった流麗な美しさがある一方で、

荒々しいタッチで描いている場面もあったり、

インパクトのある場面を1枚絵で表現したりなど、

随所に創意工夫が詰まった映像に仕上がっていました。

 

・踏み込んだ映像表現

ここまででちょいちょい

「表現がエグい」とか「残虐」とか書きましたが、

そう、この映画R15指定なんですよね。

(もともとPG12指定の予定だったのが、最終的にR15指定になったそうです)

 絵柄が可愛らしいので、平和な内容と勘違いして

親子連れなんかが観に行くと大変ですしね・・・。

 

本作に登場する子どもたちは3~4等身くらいで描かれていて、

過酷な目に遭っているのも子どもたちですから、

その分残虐描写がより強く印象に残るように感じます。

 

・でも、それだけの作品では決してない

映像の美しさや、可愛らしい絵柄と過酷な表現のギャップも印象的な作品ですが、

そこが売りというわけではないと思います。

 

悪意や狂気を持った大人たちに翻弄されながらも、

探究心や自らの信念のもと、

前を向いて果敢に世界へ挑み続ける子どもたちの姿が、『メイドインアビス』という作品にはあります。

 

 

また、主人公たちの互いを思いやりながら冒険に臨む姿や、

本作の悪役的存在であるボンドルドとその娘プルシュカの"家族"としてのつながりなど、観る者の心を打つ要素が多くあり、そこに本作の魅力の根幹があると思います。

 

 

映画が先になってしまいましたが、テレビシリーズも少しずつ鑑賞中です。

テレビシリーズの続編制作も決定しているそうですし、

今後も楽しみな作品ですね。